カビの生育 どの様に育つ①

「カビってどんな生き物?」では、カビがどのような生物であるか触れました。菌類の生育は、菌種により特徴や生育速度が変わり、環境にも大きく左右されるため簡単には語りきれません。そこで今回は、目に見えることができて、居住空間でも対策が困難である「糸状菌」に焦点をあてて、生育方法を見ていきましょう。

◆カビの生育条件1「温度と湿度」
カビは低温や高温、湿度の高低あらゆる条件下で生き抜くことができます。種族により得手・不得手もありますが、われわれが生活する居住空間のなかで生育するカビは、温度湿度により大きく左右されます。
カビはもともと、土中菌であることは「カビってどんな生き物?」で触れました。この土の中で眠っていたカビが、人的要因で掘り起こされたり、土砂崩れなどの災害時に舞い上がったりして飛散していきます。そして、われわれの生活する居住空間に飛んでくるのです。
飛んできたカビは、触れた場所(壁面や天井面、床面)に付着し、生存できる環境下だと判断すると定着します。特に、温度が約20℃から30℃湿度が70%以上になると好みの条件が揃います
一昔前だと、朝になると部屋の戸や窓を開け放ち、換気をしながら掃除が行われていたと思います。現在は、プライベートを重視した生活スタイルに変わってきたため、空気の循環が足りず、室内に湿気がこもる傾向にあります。また、住宅の構造や建材の変化により気密性が上がり、温度、湿度ともに一定に保たれているため、空気の流れが悪く、湿度だまりが多く発生しています。
このような生活様式の変化も相まって、カビにとっては好適な条件が常に整っているのです(写真1)。

カビの生息

◆カビの生育条件2「栄養源」
生育のなかでもう一つ欠かせないのが、栄養源です。室内外の生活環境中であると空気中のほこりや塵なども取り込み、栄養源にします。そのため、外壁などに付着しているカビは帯状に広がって見えるのです。これを写真2のように拡大すると、一本一本毛のように生育したカビが重なり合ってできていることがわかります。この毛のような体を揺らしながらほこりや埃を捕まえているのです。
浴室などでは、石鹸カスや皮脂なども栄養源になります。私たちが生活をしていくうえで、清掃する対象そのものがカビの栄養源なのです。つまり、生活空間では、栄養源のない空間はありえないと考えるべきでしょう。

カビの実態がわかってくると、いままでのメンテナンスや日々のカビ洗浄の対処が間違えている、そのようなことも考えられます。特に温度と湿度は、カビの繁殖スピードに大きく影響します。この部分を専門的なカビ対策によってコントロールすることで、再発防止を長期化し、汚染の拡大を防ぐことにつながるかもしれません。